コンシェルジュ日記

K男さん【第4話】

ある日曜日の午後K男さんからお電話をいただきました。
いつも穏やかに静かにお話するK男さんの声が珍しく弾んでいらっしゃいました。
「2ヶ月ほど前にお見合いしたK子さんと結婚することになりましたのでご挨拶に伺いたいのですがお時間いただけますでしょうか?」
あまりの嬉しさに泣き笑いの声で応えました。「もちろんです、お待ちしております。」

パーティ終了後ロビーでポツンとしていらっしゃるK男さんに声を掛けさせていただいてから半年ほど経っておりました。
♪♪♪「あの時声をかけさせていただいて良かった!」

数日後仲良くお2人でご挨拶にお見えになりました。
K子さんは左手薬指に輝くダイヤモンドを大切そうに、誇らしげに「ブルガリなんです。もっと安いので良かったのですが。」と仰りながら最高の笑顔と共に見せてくださいました。
K男さんは照れくさそうに嬉しそうに「彼女のお父様にお食事をご馳走になってしまいました。」とお話しの後に
「ありがとうございました。あの日声を掛けていただかなかったら今日の日はありませんでした。」と仰って下さいました。

「こんなに嬉しい瞬間をこちらこそありがとうございました。」と申し上げたかったのですが胸がいっぱいで何も申し上げずにK男さんとお別れしてしまいました。

きっとお2人で穏やかな心温まる堅実なご家庭を築いていらっしゃることでしょう。
お2人に幸多かれと心から祈っております。


♪♪♪お2人がお礼にとお持ちくださった「虎屋の羊羹」の味は今でも忘れられません。
あんなに美味しい羊羹は生まれて初めていただきました。「ご馳走様でした。」

・・・・end

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